こんにちは。会津素子です。
パーマカルチャーを授業に取り入れている公立中学校があると聞き、静岡まで勉強会に参加しました。
福岡県糸島市議の藤井芳弘さんが企画したパーマカルチャー勉強会に参加したのは、全国の地方議員や、議席を後継者に譲り市民活動に勤しむ前議員。皆、オーガニックや市民自治に深い関心を寄せており、移動時間も話が尽きませんでした。
さて、パーマカルチャーとは。
私たち人間の経済活動により、地球は今、破滅的状況にあります。
パーマカルチャーは、私たちがいつまでもこの星で暮らし続けていくため、自然や生き物を大切にする暮らしのこと。
パーマネント・カルチャーの意味を持つ造語で、一言で表すと「持続可能な暮らし」でしょうか?
浜松市に到着した私たちは、パーマカルチャー・デザインラボの大村淳さんと川村若菜さんにお会いしました。
そして、大村さんからパーマカルチャーとフォレスト・ガーデンについて話を聞きました。
現代社会はモノを大量に作り・使い・捨て、消費の循環をスピーディに進めています。
しかし私たちが経済活動を行うには、地球資源が必要です。
(地球資源=水・鉱物・石油・ガス・労働力・土地・森林・・・)
大量の地球資源を使い、気候変動を促すガスや環境を破壊する廃棄物を大量に出していることが問題です。
また、私たちの命の源、食の生産も大きな危機を迎えています。
(耕作放棄地・農家の高齢・大規模農業システムによる自然破壊・・・)
このような問題の中で、大村さんはある可能性を持ってフォレストガーデンを始められました。
ヒントは縄文時代。
今、世界中のパーマカルチャーが狩猟採取の時代に注目しているそうです。
縄文時代の人々は、身の回りの自然を壊さずに暮らしていました。暮らしの一部である「森」を破壊するという概念がなかったのでしょう。
しかし縄文の森では、今の時代を生きる私たち全員を賄うことはできません。
縄文の森 慣行農業の畑 のそれぞれ良いところを融合できないか?
→ この考えから、フォレストガーデンが誕生しました。
縄文の森は、巨木から草、つるや根など、9つの層に分かれています。
層が厚いから森に住む生物も多様になります。
しかし、縄文の森には人間が食べられる植物はほとんど生えていません。
そこで、フォレストガーデンでは、9つの層に合わせて食べられる植物を植えます。
字が小さいですが、下に9つの層と植物例が書かれています。
説明を受けた後は、実際にフォレストガーデンを見てみよう!と現地へ。
残念ながら、あいにくの大雨(半分、嵐)に見舞われました。おまけに寒い!
しかし、大村さんはニコニコ。「ガーデンには、雨だからこそ見られる顔があるんですよ。」と。
ここが浜松市内のフォレストガーデン。
3年前、ラウンドアップ(会津が一般質問でも取り上げた除草剤)で植物が全滅した畑を借り、木が植えられました。
ここでは、化成肥料(鉱物)を必要としない植物が育てられています。
まず、土の力を強くするマメ科の樹木を植え、土に窒素を送り込んでもらいます。
次にタンポポを植えます。タンポポは地中の栄養素をかき回し、鉄分・亜鉛など様々な栄養素を引っ張り上げてくれるそうです。
また、花が咲く植物を積極的に植えます。花の蜜を吸いに来たアブやハチは他の虫も食べるので、害虫がいなくなるとのこと。
多様な植物を植え、病気が広がることを防ぎます。
ここに生えているほとんどの植物を食べることができる・・・と考えると、ワクワクしました。
植物が全滅した土でも、このように再生するのですね!
自然の力はすごい!
雨はますます強くなり、靴はビチョビチョ。
しかし一同は、フォレストガーデンが面白く、奥まで見ることにしました。
ここはフォレストガーデンの裏を下ったところ。
パーマカルチャー・デザインラボの皆さんが手入れされている林です。
伐採した木を横向きに置くことで、落ち葉や土が山肌を滑り落ちにくくなります。
山に光が入るようになり、堆肥となった落ち葉が土をより豊かにします。
堆肥となった落ち葉は、新たな植物の住処となります。このようにして植物の多様性が増えていきます。
竹を土に刺すと、地中に空気や栄養素が回りやすくなります。
とても美味しい清水が流れ出していました。
豊かな土が豊かな水を生み出しています。
山の恵み、自然の恵みに感謝です。
体が冷えてきたので、ここで1日目は終了しました。